統計データをどうビジネスに活かすか?発達するデータ表示技術とその活用方法

infographインターネットの発達に伴って爆発的に増えたデータ。それらを利用して新たなビジネスチャンスを発見できないかと多くの人が考えています。

しかし、やみくもに膨大なデータを集めても実際にどう活用していいか分からない、とお悩みの方も多いのではないでしょうか?本日は統計データをビジネスに活かすためのヒントをご紹介いたします。

統計データの表示方法こそが成功の鍵

統計データの活用方法について、非常に示唆の富んだ動画があります。
下記は、スウェーデンの公衆衛生学者のハンス・ロリング博士による公衆衛生や貧困による動画です。日本語字幕が付いているので、ぜひご覧になってみてください。

いかがでしたか? 博士の主張やプレゼンテーションも非常に魅力的ですが、何よりも注目すべきは博士の統計データの表示方法でしょう。膨大なデータを様々な手法で分かりやすく整理しています。

この動画からお分かりいただけるように、データから意味のあるメッセージを導出するためには、その整理方法・表示方法が非常に重要です。一見、意味のなさそうなデータでも表示方法次第で思わぬ洞察を得られることもあるのです。

統計データの表示ツール

ハンス・ロスリング博士が示したデータの時系列表示と同じようなことは、統計データをお持ちであればみなさんにも可能です。例えば、Googleスプレッドシートを使えば、いろいろな方法でデータを表示することができます。Googleスプレッドシートで時系列表示のオプションは「モーショングラフ」という名前で呼ばれています。

【参考】Googleスプレッドシート「ガジェットリスト」
【参考】Google スプレッドシート「モーショングラフ」

Googleスプレッドシートの「モーショングラフ」機能は、Googleが提供する無料アクセス解析ツール「Googleアナリティクス」の一部のレポートでも利用可能なので、アクセスの分析や動向のプレゼンテーションに使ってみるのもよいでしょう。

一歩進んだ統計データの表示方法

もし、さらに一歩すすんだ統計データの表示に関心があるのであれば、データ・ドリブン・ドキュメント(通称:D3)の利用を検討されるのもよいでしょう。D3は、データに基づいてドキュメントを操作するためのJavaScriptライブラリ、いわばプログラム集です。

D3でどのような表示ができるかは下記の記事が参考になります。
オバマ大統領の国家予算案を今まで見たことのないような形で表示しています。

New York Times 記事:「Four Ways to Slice Obama’s 2013 Budget Proposal」

D3を用いれば、たとえば散布図と地図とを連動させるなど様々な表示方法が可能です。利用にはプログラミングの知識が必要となりますが、サンプルも充実していますので、プログラマーのチームとマーケティングのチームとで協同して「何が可能か、どんな表現ができそうか」を検討してみるのも、次の新しい取り組みへの一歩となります。

【参考】散布図と地図の連携の例

まとめ

統計データの取り扱いについて、冒頭の動画のハンス・ロスリング博士は、「事実に基づいた世界観(fact-based world view)」を提唱しています。しかし、これは単にデータをグラフで表現すればよいということではありません。データを様々な視点から可視化し、そこから注意深く新たな意味や可能性を発見するということこそが重要なのです。

それはもちろんビジネスの世界でも同様です。今後、統計データの表示技術をいかに上手く活用するかが、ビジネスチャンスを発見する上で重要となってくるでしょう。

Photo: Some rights reserved by Jhayne, flickr

カテゴリー: マーケティング パーマリンク

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