視線を追う技術による、新たな広告宣伝活動とマーケティング手法

eye-trackingこれまで企業の広告宣伝活動においては、どんなに積極的に広告塔やバナーを制作しても、多くの場合、それらに対する「顧客の反応」をその場で分析することはできませんでした。

商品を見た顧客の反応をその場で捉え、すぐに自動的に何か働きかけられるような広告を制作できれば…と考えた企業も多いことでしょう。

今、新たな技術の開発によって、それが夢物語ではなくなってきています。

では、それはどのような技術によって実現されようとしているのでしょうか?そして、その技術は今後どのように応用できるものなのでしょうか?

目の動きを捉える技術の進歩

ここ数年、人の目の動きを捉える技術が日々進歩しています。これまでにも医療の現場などで実用化されてきたこの技術は、今スマートフォンやパソコンなどに取り入れられています。

この技術はやがて広告宣伝にも広く利用され、いずれ、「広告を見つめると、見つめ返される」時代が訪れるでしょう。双方向的に機能する広告の制作が可能になり、また、視線を捉えることによって集められた顧客の情報が、マーケティングに活用されるようになるのです。

現在はまだコスト面などの問題もあり、この技術が日常的に広告宣伝・マーケティングに用いられるようになるまでには、もう少し時間が必要です。しかし視線を追う技術は、既にいろいろな形で利用され始めています。

既に実用化されている技術・実用化予定の技術

現在、目の動きを捉える技術により作られた製品には次のようなものがあります。

1. Samsung の「Galaxy S4-Smart Scroll・Smart Pause機能」

目の動きによってスマートフォンの画面をスクロールしたり、動画を一時停止させたりする機能を搭載しています。

2. Tobii (トビー)の「REX」

アメリカで今秋限定発売予定のパソコン用デバイス。USBでコンピュータ本体に接続して使うこのデバイスは、目の動きをマウスやキーボードの操作と組み合わせることによって、パソコンのデスクトップをコントロールできます。

3. Cube26 の「人の顔を認識する技術」

Cube26(旧PredictGaze)は、「人が去るとテレビが停止する」という技術の開発で話題になった、アメリカの会社です。今回、12フィート(約365cm)離れた場所から人の顔をカメラで認識できる技術を開発。この技術を用いると、買い物客がどの商品に対してどのような反応を示すかが分析できます。

4. ドイツとイギリスの研究者数名が開発中の「SideWays」

ドイツのthe Max Planck Institute for InformaticsのAndreas Bulling氏がイギリスのランカスター大学の研究者たちと開発中の技術です。一度に14人もの人間の目の動きをカメラで捉えることができます。ふつうこの種の技術は一度に1人の視線しか捉えられないので、画期的な技術として注目を浴びています。

この技術の応用方法は?

ここでご紹介した技術を用いると、例えば次のようなマーケティングや広告宣伝を行うことができるのではないでしょうか?

1. 演劇などのエンターテイメントのシーンで

「SideWays」のように多くの人の目の動きを一度に捉えることができる技術を、劇場で利用することができると思います。例えば演劇の公演中、どの役者がどのくらいの時間、観客の視線を集めたかなどのデータをとり、それをマーケティングに活かすことができるでしょう。

2. オンラインの広告で

現在、多くのWEBページで企業が音声や動画を用いた広告を流しています。しかし、それらのWEBページを見ている人がその広告の商品に関心があるかないかに関わらず、一方的に同じ音声などを流すのが現状になってしまっています。

ここでその広告を見つめた秒数によって、流す音声を変えるのはどうでしょう?つまり、視線を捉える技術を用いて、「5秒この商品を見つめたら、商品の説明を始める」、「10秒見つめたら、期間限定割引などの特典を紹介」、「15秒見つめたら、購入方法の説明に入る」という形の広告を制作するのです。すると、優秀な営業マンが顧客の反応を見ながら少しずつ話を進めるスタイルに、近づくのではないでしょうか?

まとめ

これまで見てきたように、視線を追う技術には多くの可能性が秘められています。ところが、他の新しい技術と同様、プライバシーの問題などがあることも事実です。その点に注意しながら、良い方向にこの新しい技術を生かしていけたらいいですね。

【参考】
Eye-Tracking Technologies Are About To Make Advertising Even More Invasive – Forbes
Photo: Some rights are reserved by City University Interaction Lab, flickr

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カテゴリー: マーケティング パーマリンク

視線を追う技術による、新たな広告宣伝活動とマーケティング手法 への2件のフィードバック

  1. yashi より:

    何年前からか、某ホームページを見ていると、オススメ商品の案内などが勝手に表示されることがよくあります。
    インターネットでの買い物歴や閲覧ページを勝手に分析されているんですね。そういうのは ちょっと苦手。あまり気持ちのよいことではないですよね。
    今回 紹介されている視線を追う技術は、障害をお持ちの方やご高齢の方々の生活を豊かに そして便利にしてくれそうな予感がします

  2. ピンバック: 【IT】視線を追われてモニターされるのだけは勘弁して欲しい | 林囓mac

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